いろんなひとにウェルカム
最初に通ったESLの受付の掲示板に張ってあった手作りのポスター。↑
最初の1行は "WELCOME" なので、単に新しい生徒を歓迎するメッセージに見えますが、最後まで読むと、最後の2行に "ALL PEOPLE ARE SAFE HERE" と書いてあります。最後まで読んでその意味するところを考えると、ちょっと切ない。
宗教や信条、肌の色や性別、その他いろいろな理由で危険を感じてきた人たちに"ALL PEOPLE ARE SAFE HERE" と掲げているのです。*
町中の大人のESLは、外国人が英語での大学教育を受ける準備をする大学の付属のESLとは違って、主として生活するために英語を勉強したい人が来る英語学校だから、いろいろな人が来ている事をいろいろな人と話して知りました。
紛争に阻まれてもう何年もお母さんに会っていないという若い女性もいたし、母国では暮らしにくい事情があるからアメリカに移民する事にしたという人たちもいました。その中にはゲイの人たちも。実際、私の一番仲のいい友人の一人もゲイで、母国にいた当時にバレていたら殺されていてもおかしくなかったとのこと。
実は、私がESLに行き始めた頃、ちょうどミネソタでは同性婚が合法化され、 授業でも「今日認められたのよ」と先生が話題にしました。 (そういう土壌があったためか、ミネソタは同性カップルが多い州だそうで、同性婚が認められたのも比較的早かったのです)
授業で話題になった時は、 「合法でないことにはいろいろ問題があった」と先生が説明してくれました。例えば、重大な病気の告知などの問題があったそう。 法律的な「家族」でないので、いくら本人たちが望んでも 「(法的な)親族を呼んでください」と言われたり。また、 人目を恐れて同性婚カップルが別々に住んでいると、 年をとってから独居老人になってしまうとか(マイナス20度以下の世界では、冬場は高齢者は気軽に訪ね合うこともできないだろうな・・・と思いました)。
法的な結婚が認められるという事はそういうことでもあるんだと 妙に納得させられました。
なお、2015年6月にアメリカの最高裁で同性婚が合憲という判決が下され、その後アメリカ全土で同性婚容認の動きが一気に拡大しました。
(しかし、その一方でその後も、ゲイをカミングアウトした息子が親に殺されるという事件がアメリカで起きる。悲しい。命まで奪う必要があるとは思えない。)
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*なお、大人向けESLの受け入れ対象から18歳未満が除外されているのは、学校に子ども向けのESLがあるからだと思います。実際に知り合いの高校生が行って、一緒に英語を勉強する同年代の友だちが出来たようで安心しました(ついでに、大多数がスペイン語圏の子たちということでスペイン語も友だちに習って楽しんでました)。また、授業内容が大人向けになることもあるのでそこは別扱いなのだと思います。
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最初は、次に来る言葉のみを考えた 〔町中のESLは話す練習の場にオススメ〕
頭の中で英語の文章を作らずに英語を話そうとしたとき———つまり、話そうと思うと同時に口に出す方法で話そうとしたとき———まず困ったのは、とにかく単語が出てくるのが遅いことでした。イラストの様に、単語と単語の間に空白が挟まり、次の単語が出てくるまでに数秒かかります。つまり、空白だらけ。たいへんに「じれったい喋り方」です。当時の私の話を聞いてくれた人には感謝。とても忍耐力が要ったと思います。
何に時間がかかったかというと、日本語と英語で語順が違うこと。特に、日本語では動詞は最後に来ますが、英語だと主語のすぐあとに来ます。慣れてしまえば自然と出てくるようになりますが、最初はそれがたいへん。「2番目は動詞」「主語の次は動詞」と、しばらく頭の中で唱えていました。(なお、否定文の場合は否定の言葉を動詞の前に入れる必要があります)
そう、日本語では文の最後に来る「文の大事な要素」は、英語だと主語のすぐあとに来るんです。否定の言葉とか、動詞とか重要な内容は先に話す。「私、来た」みたいな単純な文を先に口に出してしまって、その他の情報は後から継ぎ足し継ぎ足しする。さっきの文章に足すなら「ここに、3週間前」という感じで。これに慣れてくると少しラクになります。
……ただ、流暢かというと、それはまた別の話なんですが(汗)。
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〔町中のESLは話す練習の場にオススメ〕
なぜって、皆、自分が来た道だから、忍耐強くこちらのたどたどしい英語を聞いてくれるからです。それに、お互いに母国語の訛りがあるため、違う言語の人間が話すと、知っているはずの単語なのに聞き取れないことも出てきます。なので、何回か聞き直しても嫌な顔をしません。それでも通じない時は単語を変えるとか、書くとかして伝えることになりますが、それも仕方がないこととお互い許し合います(笑)。
「ナーバスじゃなくなること。それが英会話学習ではとても重要なこと」だと、ESLの英会話の先生に言われました。
文法の間違いも気にしないでいい。多少間違っていてもいいんです。とにかく、違う国から来た者同士、コミュニケーションをとることのほうが重要。
これが、英語が母国語の人が相手だと、「ああ、また間違っちゃった…書かせてくれるならもっと文法の間違いが少ないのに」などと落ち込んだりしますが、ESLだと相手も間違っているので気楽に話せます。発音だって、最初はカタカナで喋っちゃっても、相手の反応を見て「あ、通じなかったな」と思ったらやり直せばいい。そのうちに「V」は「B」で発音しちゃうと相手にわかってもらえないから気をつけよう、などと気をつけるようになってきます。
なので、「英語で間違ってもいい。とにかくコミュニケーションを取れることのほうが大事」という意識改革をするためにも、早い段階で町中の無料ESLに行くのがおすすめです。
なお、ESLには副産物があって、「◯◯語訛りの英語が聞き取りやすくなる」という現象が起きます。クラスメートの訛りが強いと、そのせいで最初はコミュニケーションが取りにくいんですが、仲良くなって話をする時間が増えると、気がつくとその◯◯訛りの英語が格段に聞き取りやすくなっていると気づきます。
私の場合は、スペイン語とソマリア語でそれが起きました。この2つの言語を話す人たちは町中に結構いるので、そのあとちょっと助かりました。
だって、例えばスペイン語のひとは"you"を「ジュー」って言うんだよ。 ロシア人のおばあちゃんたちの"horror"が「ヘラルル(巻き舌が凄い)」で聞きづらいとか 言っている場合じゃない(笑)。
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ESLに行く前までの私の話し方〔あえて1つ下のクラスに入るのもおすすめ〕
さて。今回はオトナになりきってからESLに通った私の英会話能力が、どのような過程を経て進化したのか、その前提となる、ESL<使用前>のお話から。
けっこう多くの純ジャパニーズ、つまり日本生まれの日本育ち、海外経験は1ヶ月未満の観光のみ、というオトナの皆さんが同じような話し方をされているのでは...と思います。
アメリカに行く前、大学の卒業旅行にヨーロッパの都市を巡ったり、その他にもアジアのリゾートに行ったりして、パスポートには15ほどの国のスタンプが溜まっていた私でしたが、当時の話し方はこんな感じでした。↓
つまり、①まず日本語で考えて、
②頭の中で英作文をして、それを丸ごと覚えて、
③覚えた英文を口に出す(読み上げる)、という3段階を経て話していました。
そしてこの話し方って、旅行者として観光地で道を尋ねるとか買い物をするくらいだと、通用してしまうんです。
なぜって、
私 :「◯◯をしたいんだけど教えて?」
聞かれた相手 :「それなら△△で◻︎◻︎…」
私 : 「ありがとう!」
という単純なやり取りしか基本的にしていなかったから。
しかもこのやりとり、帰ってくる答えもある程度予想がつきます。
「すみません、◯◯に行きたいんですが」
と質問すれば、帰ってくる答えは、
「2つ目の交差点を右に曲がって、道沿いにしばらく行って公園が見えたら
手前で左に曲がると左側にある白い建物よ」などになるので。
また、リスニングのほうも、
つまり、私の英語にはそれまではスピードは求められていなかったのですね。
でも、これが本気で「会話」するとなると、そうはいかない。
なぜって、今までは、とにかくサーブを打って、相手の打ち返した球を受け取る(リスニングする)だけでした。なのに、会話となると相手とのやり取りがピンポンのように続くので悠長に①〜③の手順を踏んでいる時間がないからです。
で、アメリカに行ってESLに行き始めて、それを改めて自覚したワタシ、新しい方法に切り替えてみることにしました。
新しい方法というのはつまり、
①日本語で考える→②英語に訳して丸ごと覚える
という過程を省略する方法です。
短く言うと、英語で考えながらそのまま口に出す方法で、前もって考えるという事をしません。要するに、日本語でやっているのと同じことをする方法です。
なぜって、これが出来れば、翻訳する時間も
丸覚えする時間も節約出来て普通に会話出来る(上達すれば)と思われるからです。
で、ESLで最初の2週間、こっちの方法でやってみてたんですが、これが…慣れてないせいなのか、異様に時間がかかるのです。もう、しどろもどろ。
う~ん・・・もしかして20代の頃に比べて、考えられるスピード自体が遅くなってる?頭の中で翻訳している方が、それに慣れているせいか速かった。
以前の方法は、口に出すまでは時間がかかるけど、 文法的にきれいな文章を作れるし、一気に話せるので 一見しては流暢に見える(かもしれない)方法でした
スピードを上げるために方法を切り替えたのに、逆に遅くなったという状況に陥ってしまいました
ここで当時のワタシ、たいへん迷い始めました。
なぜなら、以前のやり方を継続していれば、素早くはないけれどそれなりにやり取り出来ていたからです。なので、元の方法に戻した方がいいのかな、と
ただ、当時の私は迷う一方で、従来のやり方に限界も感じていました。
なぜって、年齢のせいなのか、丸覚えの部分が以前ほど出来なくなってきていたからです。長文が覚えられない。
それに、今までのやり方だと、相手にいちいち
自分が①→②→③をやっているあいだ待っていて
もらわなければならないので、タイミング的に不自然なやり取りになるのも否めなかったのです。
単に海外旅行しているときは、私は外国から観光を楽しみにきている旅行者で、観光が目的だったからそれでよかったけど、ESLのクラスメイトは全員が外国人、でも話せてる。
どちらの方法のほうがいいのか。
この当時の私、たぶんクラスで一番話せてなかった自覚があります。
なので、同じように「会話は苦手」という自覚がある人には、下の項でアドバイスを。↓
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〔あえて1つ下のクラスに入るのもおすすめ〕
町中のESLに通うためには、たいていの場合はテストがあります。これは、複数のクラスがある場合はその人のレベルを見て、その人に合ったクラスを決めるため。
ただ、日本人の場合、「全然話せないのに実力より上のクラスに入れらてしまってツライ。自分だけまわりと話せない」ということがしばしば起きます。なぜって、日本人の場合はそれなりに英語教育を受けていて、さらに選択式のテストに回答する訓練も受けているので、そうじゃない人と比べると点が取れちゃうんですね。
これに対して、ちょっと周囲を見渡すと、どちらかというと読み書きよりも会話力の方が高い人の方が多い。自分と比べてペラペラなのに、書かせてみるとスペルがグチャグチャとか、小難しい文法はわからないとか。
なので、日本人の場合はペーパーテストの結果だけ見て判断されると、「全然喋れない・聞き取れない」という状況で、自分の会話のスキルと比べると格段上に見えるクラスメイトたちの中に入れられてしまってツラくなるわけで。
というわけで、時間が許すのであれば、最初はListening/Speakingだけでも1つ下のクラスに入れてもらえないか、交渉するのもオススメです。ちなみに、実際に私はこれをしました。余裕を持ってListening/Speaking の授業を楽しめたので良かったです。なお、この間、私が行くはずだったクラスでは「人前で発表する練習 (Public Speaking )だの、就職の面接 (Job Interview) だのをやっていて、内容的にも「イヤイヤ、いきなりそれはムリだって」の世界。上記の、当時の私の状況を見ていただければお分かりになると思います。
なぜこういうことが起きるのかというと、中級以上のクラスに出席している移民系の人たちはアメリカでしばらく働いた後だったりするんですね。つまり、既に生活するためにアメリカで働いている。なので最低限の会話力は持っていたりします。
じゃあなぜESLに来るのかというと、単純労働ではなくもっといい仕事につくために読み書きを何とかするためだったり、最低限の意思疎通以上にもっとアメリカ人とコミュニケーションを取れる様になるために文法を習いに来ていたり、20代の人の場合は大学に行くための英語力をつけるためだったり(大学のESLは授業料が高いので、町の無料ESLで出来るだけ英語力を上げてから有料のクラスを履修したいという事情があります)。
日本人や中国人・韓国人で大学教育まで受けているような場合は、彼らとまるで逆なので、会話となると遅れを取ってしまうわけです(もともと耳からの学習に向いている文化というのもあるようです)。
また、日中韓のクラスメイトの場合、結婚相手がアメリカ人で毎日家庭内で英語で話している、ということもままあります。なので、他の人と自分を比べて落ち込まないほうがいいですよ。置かれた状況が一人一人で違うから。
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特別クラスのススメ [ESLで生活情報も得よう②〕
[ESLで生活情報も得よう②〕
前回も書きましたが、オトナ向けのESLではいろいろな生活情報を提供してくれます。
前回書いた冬以外の情報としては、ミネソタには稀にトルネードが来るので、トルネード警報について教えてくれたり、避難場所について教えてくれたり。トルネードの無い場所から来ると全くこういうことを知らないので助かります。
具体的には、毎月第1水曜13時には、 非常時の訓練としてトルネード警報を鳴らすそう。
また、公共スペースやビルには、地下かどこかにトルネードが来たときに安全なエリアが
設定してあるので、もし本当に警報が出たら そういうところに避難すればいいので、自分の住んでいるアパートなどの建物を要チェックとのこと。
(これ、アメリカ在住ウン年のソマリア人が知らなかったりしてました。 こういう情報を得るにも英語、必要ですね)
また、アメリカに来たばかりの人は気がつきませんが、アメリカはサマータイム(daylight saving)を導入しているので年に2回時間の切り替えがあります。実際、1時間時間が早くなったり遅くなったりすると結構生活に支障が出るので気づかないとたいへん。こういうことも注意喚起してくれます。あるいは、税金の申告シーズン前に第三者を招いて情報を提供してもらったり。就職相談があったり。
個人的にとても助かったのは、授業の間に違法駐車のチケットを喰らってしまって、しかもそれは間違いで発行されてしまったものだったとき(有料の駐車場に適法に駐車していたのになぜか違反キップが置いてあった)、どうやって取り消してもらえるのか途方に暮れた時に、ESLの受付に駆け込んで相談に乗ってもらえたことでした。折悪くESLもホリデーシーズンに入るところで、駐車違反のチケットに「このチケットに異議がある場合は、◯日以内に申し立てないと有罪と認めたことになります」と書いてあって、本当に焦りました。
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飲みに行って死ぬかもしれないと思った話[ESLで生活情報も得よう①〕
とある日の出来事。ミネソタの冬にもESLの学校生活にも慣れて、夕方に友人と飲みに行く余裕が出てきたキューバ人男子。
一杯ひっかけて踊りに踊って楽しんだところまでは良かった。
でも、「帰りのバス停でバスを待っている間に死ぬかと思った!」と翌日ESLの友人に訴えていました。
これまでは学校のそばにバス停があるし、バスが多い時間帯に帰るしで、あまり長時間バスを待つことはなかった。なのに、この日はとっぷり暮れているわ、バスはなかなか来ないわで、アルコールとダンスで熱くなった体が急速に冷えたそう。
で、「帰りのバス停でバスを待っている間に死ぬかと思った!」ということに。
ちなみに、摂氏でマイナス20度以下になるのはミネソタの冬ではわりと普通のこと。しかも、風が吹くと体感温度はさらに下がります。なお、私の滞在中でいうなら、体感マイナス50℃くらいまでは行ったかな、って感じ。(ちなみにそこまで行くと、外にいると5分で凍傷になる危険のあるレベルだそうで、さすがに子どもの学校は休校になります。が、ー20℃程度の普段のレベルではあまり休校になりません)
担任の先生が言っていた、
「寒いからってミネソタで家にこもってたら社会生活が成り立たなくなっちゃうでしょ」
というのが忘れられません。マジか、と思ってたけどマジだった。
なお、こういうものがバス停に併設されている時もあります。↓
天井に暖房付き。スイッチを押すとONになります。
でも、全部のバス停にあるわけではないので、
ある程度待つことが予想されるときはこれがある場所で待つのが吉。
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[ESLで生活情報も得よう①〕
町の大人向けのESLに行くのがオススメなのは、生活情報も得られるからです。
大人向けのESLでは、移民してきたばかりの外国人がどういうことに戸惑うかも熟知しているので、いろいろな情報を得ることができます。なので、「もう少し落ち着いてから...」ではなく、早めに行くと助かることもあるかも。
例えば、ミネソタの冬の場合、上にも書いたように、冬にはマイナス20℃以下になることも普通なので、寒さに備えた情報も必要です。歩道もツルツルに凍結するので靴に着脱可能な滑り止めがあることを教えてくれたり、服装についても、寒い時は凍傷になる恐れがあるのでそれを避けるための服装を教えてくれたり(耳を隠せない帽子だと凍傷で耳たぶを失う恐れがあったり、指の先の開いた手袋も真冬は指を失う恐れがあったり)。
さらに、車運転する人にはたいへん重要な情報なのですが、ミネソタの場合は雪が多く降ると“Snow Emergency”というものが発令され、通常の駐車のルールが一時停止されます。
これはつまり、通常は適法に「駐車可能」とされているはずの通り沿いの駐車場(street parking)に駐車したのに、いつの間にか知らないうちに「駐車不可」になっていて違法駐車になり、下手をするとレッカー移動されて数百ドル支払わされるという、知らない人にとっては「そんな御無体な!」と言いたくなるルールです。後出しジャンケンみたいなルール。
通りを一斉に効率よく除雪するためとはいえ、これ、知らずに引っかかると結構ショックだと思います。住宅地にある自宅前に停めている場合でもアウトというから、けっこう情け容赦がないです(実際に、知り合いがこれで駐車違反を取られました)。
こういう情報も得られるので、ぜひ早めに。
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いろいろな人種・年齢・状況のヒトがいる。 〔ESLへの入学時の注意点〕
週に何回かだけでしたが、私が通っていたESLで行われていた英会話の授業がとても興味深かったです。
というのも、通常の授業は「Speaking・Listening」の授業と「Reading・ Writing」の授業でしたが、会話の場合は、先生がテーマを決めて生徒が順番に話したり、お互いに質問しあったり。
まずは自己紹介。 どこの出身か、どうしてミネアポリスにいるのか、など。授業に出ているだけではなかなか交流出来ないクラスメイトの話を聞くことができます。
その日は、13~14人程度の出席でしたが、自己紹介の結果、そのうちの5人がソマリア出身だということで驚きました。そのうちの 一人の女性が、「11才まで勉強したことがなかった。 生き残るのに懸命だったから」と言っていたのが印象的でした。
・・・やはり難民として移民してきたんだね。*
そうすると女性の場合は、頭がイスラムっぽい被りもので覆われていて、人種が黒人、 そして被りもののスカーフ(?)が わりとカラフルな人たちはソマリア人か・・・と当てがつきました(なお、他にも黒人系イスラム系の人たちがいて、なかなか私には区別がつかないのです)。
いつもの着席の授業だとあまり交流が出来なかったのは、彼女たち、目が良いのか、 わりと後ろの方の席に着くからでした。対する私はド近眼、プロジェクターやホワイトボードの字が見えにくい(しかもなぜかいつも薄いしピントが甘い)ので、いつも一番前に座っていたのでした。しかもまだ全然リスニングに自信がないので、出来るだけ先生や音源の近くに陣取っていたからなあ。
そのほかこの日のクラスには、カザフスタン、インド、ブルンジなどの出身の人がいました。普段あまり話すことがないクラスメイトに母国のことを話してもらうと、「世の中いろいろあるなあ」と思うことがいっぱい。たぶんお互いにそうなので、こうやって少しずついろんな国のひととわかり合えるといいなあ。
* なお、同じ国からの難民・移民でも状況はひとりひとり異なります。
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〔ESLへの入学時の注意点〕
たいていのESLは月あたまとか学期の始まりとか、生徒の受け入れ時期が決まっています。テストを受けてから受け入れ時期まで待つことになります。つまり、手続きしてすぐに授業に出られるとは限りません。これは、受け入れ側の手間を省くため。なぜって、毎日新入りの生徒に担任がつきっきりで説明をしていたら授業が一向に進みません。
また、クラスの定員に空きがなければ、せっかくテストを受けてもウェイテイングリストに載って空きを待つことになってしまうことも。
ESLに行くことを考え始めたら、お目当てのESLではいつまでにテストを受けなければならないのか、いつから授業が受けられるかなど、早め早めに問い合わせをしましょう。
また、大人のESLには年齢制限があって「18歳未満は不可」などとなっていることも(大人向けなので)。さらに、「少なくとも1ヶ月は通えること」「出席率75%以上」などという制限があり、守れないと途中で除籍になることも。
なぜなら、ウェイティングリストに載って待っている人がいる場合はその人たちに席を譲る必要がありますし、ESL側としても生徒の出席数に応じて政府の補助金を受けていることが多いので、生徒が続けて通ってくれることは死活問題なのです。(生徒の仕事の都合や一時帰国などの特殊な事情によっては、多少の融通をきかせてくれるようでしたが、クラスにウェイティング・リストがあるようだと難しいかも)
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友人が出来ると会話が上達する? [ESLでの英会話上達のヒント]
ESLで最初に親しくなったのは、ブラジル人女子2人と、ベラルーシ出身の女子でした。中級のクラスだったので、たどたどしくても、ある程度は英語でのコミュニケーションは成り立っていました。でも、みんなアメリカに来たばかり。英語が不自由なだけでなく、アメリカの習慣などが全然わからず手探り状態。
特に、ブラジル人女子1人とベラルーシ女子は、「夫が急にアメリカ赴任になったのでスーツケースに入る荷物だけ持ってきた。自分だってあっちで仕事をしてたのに」ということで、ストレスマックス。出身国は違えども状況がとっても似ているこの二人、よく愚痴を言い合ってました。こんな時でも英語で話さなきゃいけないんだけど(苦笑)。
でも、「相手にわかってもらいたい」「相手の言っていることがわかりたい」というのは英会話上達の大きな動機付けになると思います。実は、残る一人、もう一人のブラジル女子は当時は身軽なシングル。2年ほどのちにアメリカ人の彼氏が出来てゴールイン。おつきあいの過程で英会話がググッと上達したとESLの当初の担任も驚いていました。やはり愛は強し。しかしこの方法、シングルにしか使えない(笑)。
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[ESLでの英会話上達のヒント]
実は、私が通った ESL の教室は丸テーブルに4人掛けでした。クラスによっては、先生が「同じ国の人間同士は出来るだけ1つのテーブルに着かないように」と促します。
おそらくそれは、同じ国の人間が一緒に座ると、ついつい母国語で喋ってしまうことを避けるため。それに、違う国の人間と同じテーブルに着くことで、同国人同士だと発音や文法の間違いが同じになる傾向があるので、間違っていても通じてしまうけど、他の国の人ではそうはいかないから、相手に理解してもらうために気をつけるようになる。
例えば日本人同士だと、"L" や "R"の部分をカタカナの「ラリルレロ」と発音してもわかり合ってしまうけど、他の国の人にわかってもらうには "L" と "R" を区別して発音しなければわかってもらえなかったり…というような現象が起きます。通じなかった時は相手の反応でわかったり、相手が「言えてないよ」と教えてくれたりする時も。ちなみに、私はロシア人のおばあちゃんに「Rが全然言えていない」と捕まりました。好意で教えてくれようとするんだけど、たぶん、その巻き舌のRも違うと思うなあ、とか思いつつ(笑)。
こんな感じなので、お互いに気をつけて発音するようになったりするんですね。なのでいい練習になるし、自分のクセに気づくキッカケになったりするんです。なので、先生に言われなくても、他の国から来た人間と一緒に座るのはオススメです。
それに、今まで持っていたその国へのイメージが変わったり、その国での日常生活や状況が垣間見えるという意味でも、目からウロコが落ちたりするので、他の国の人と座るというのはオススメです。
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